曜変天目‥‥その真に大接近

曜変天目は「ヨウヘン」、「容変」、「耀変」、「影星」などといわれてきた。 『東山御物』にある美の中でも茶碗の王座を占めていた曜変天目は、天空の神秘さを思わせ珍重されている。 現在、その国宝『曜変天目』の三碗が、MIHO MUSEUM、静嘉堂文庫美術館、奈良国立博物館で同時期に公開という千載一遇のとき、第二回「曜変天目 瀬戸毅己展」の開催の運びとなりました。 瀬戸毅己曜変天目茶碗 曜変天目を再現するのは“至難の業”である。 初めての人間国宝となられた石黒宗麿先生は、 「あまりにも豪華な、宝石をちりばめたような曜変天目茶碗。‥‥僕は一生かかって曜変天目の色見をしていたようなものだ」(月刊文化財)といわれ、 窯変米色瓷を完成させた岡部嶺男も、44歳の頃から天目に挑み、 「耀窯天目盌」や「窯変嶺燦盌」を完成させるも道半ばで倒れられてしまった。 また今日の陶芸界においても、数名が挑んでいるが、どれも写しの範疇がぬぐい切れない作品ばかりだが、 瀬戸毅己の曜変天目は真に迫っている。 昨年、ご好評をいただいた「曜変天目 瀬戸毅己展」から丸一年が経過して、 この一年間、曜変天目を狙った窯焚は80回に及んだ。前回より10回増えたことになる。 曜変天目見込 瀬戸毅己先生の曜変天目へ賭ける強みは、徹底した釉薬の研究と不純物の多い黒胎の素地、それに不安定な窯である。 窯は灯油窯。ガス窯や電気窯のようにコントロールしやすい窯ではないから、焼成に…

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曜変天目の茶碗や酒盃

曜変天目2019.5瀬戸毅己 曜変天目は生産地の中国において、これまで文献上の記述もなく、現物はおろか、陶片ですら見つかっていない状態であったが、2009年末に杭州市内の工事現場から曜変天目の陶片が発見された.。 曜変天目の出土場所は、南宋の都がおかれていたかつての宮廷の迎賓館のような所だった。(2012年5月に中国の杭州南宋官窯博物館館長・鄧禾頴が発表) この陶片は昨年、当苑での個展で発表された瀬戸毅己の曜変天目に酷似している。 瀬戸毅己 曜変天目部分2018.5 濃い瑠璃色から銀色にいたる神秘的な輝きをみせる瀬戸毅己の曜変天目。 厚くかかった天目の複雑な釉景、土見せの焼きしまった黒胎など、 上辺だけの輝きでない深味を伴った曜変天目である。 曜変天目茶碗2018年個展出品作 今年も5月24日から開催される、しぶや黒田陶苑での「曜変天目 瀬戸毅己展」での曜変天目茶碗、そして曜変天目酒盃をご期待ください。 瀬戸毅己曜変天目酒盃(2018年個展作品) 曜変天目 瀬戸毅己展 会期:2019年5月24日(金)~28日(火) 会場:しぶや黒田陶苑 魯山人「大雅堂」・「美食倶楽部」発祥の地  魯卿あん‥‥Rokeian 〒104-0031 東京都中央区京橋2-9-9    TEL: 03-6228-7704 FAX: 03-6228-7704 営業時間:11:00~18:00 Email:rokeian-kuroda@jupiter.ocn…

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